『おおかみこどもの雨と雪』は子供に見せられない!?ベッドシーンは気持ち悪いのか?

おおかみこどもの雨と雪
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映画『おおかみこどもの雨と雪』は2012年に公開された細田守監督によるアニメーション作品です。日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞しており、『サマーウォーズ』と並び細田守監督の人気の作品です。

しかし一部からは「ベッドシーンがあって子供には見せられない」や「気持ち悪い」といった声が上がっています。一部とは言え、なぜここまで評価の高い作品に、このような評価があるのでしょうか。この記事では、そのような口コミの背景や問題のベッドシーンについて解説しています。

【ネタバレ注意】この記事では物語のネタバレに触れています。

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『おおかみこどもの雨と雪』は子供に見せられない!?ベッドシーンが気持ち悪いと言われる理由

『おおかみこどもの雨と雪』を子供に見せられない理由

映画『おおかみこどもの雨と雪』は、”親子愛”が大きなテーマとなった作品です。物語は主人公の花がオオカミ男と出会い、結ばれ子どもを生んで育てる13年間を描いています。そのなかで賛否両論を巻き起こしたのが花とおおかみおとこが結ばれるシーン。

https://cinema.ne.jp/article/detail/39060?page=1

ここではおおかみおとこが、本当の姿である狼の姿となります。これに対し、一部からは「人間ではなく狼の姿は気持ち悪い」といった声が上がっているようです。

ベッドシーンを描いた細田守監督の真意

アニメ作品では、こういったちょっと刺激的なベッドシーンはカットして、婉曲的に描くことが多いです。ではなぜ、『おおかみこどもの雨と雪』ではこのような直接的な描き方をしたのでしょうか?

これに関して、細田守監督はラジオ番組で次のように述べています。

「子育てもの”の根拠としてこれ(SEX)がある以上、彼らはそこまで踏み込んだ」

「それを言葉で表現してしまうといけない、言葉は信用ならないものであるから、行動でそれを示さなければならない」

つまり、人間の姿ではなくおおかみおとこの本当の姿を認め、かつ受け入れる覚悟が花ができたことを如実に表現しているシーンと言えます。

また「子育て」の前提として、当然ですが「子どもを作る行為(SEX)」があるわけで、そういったところから目を逸らさずに描きたかったと感じられます。

『おおかみこどもの雨と雪』で気持ち悪い・ひどいと言われる理由

『おおかみこどもの雨と雪』を見た感想の中には、ベッドシーン以外でも「気持ち悪い」「ひどい」といった感想も見受けられます。なぜそのような評価があるのでしょうか。Twitterやネット上からの口コミを参照して理由を考察してみましょう。

花が女性の理想像すぎる

口コミのなかで多く見られたのが、「花があまりにも理想の母すぎる」「あんなに子育ては簡単なものじゃない」といったもの。フィクションとは言え、あまりに完璧な母親として描かれる点に、主に女性から厳しい意見がありました。

確かに父親がいない状況で、しかも子どもは人間ではなく半分狼という半獣です。人間の側面もありながら獣の側面もある。こういった子どもを二人も母親一人で育てなければいけないという大変な状況でも花は力強く二人を育て上げます。

実際に細田守監督も、この映画を制作しようとしたきっかけで次のように述べています。

自分の身近で子供が出来た夫婦が増えてきたときに、親になった彼ら、特に母親がやたらカッコよく、輝いて見えて、子育ての話を映画に出来ないかなと思ったんです。自分が体験してみたい憧れを映画にしたという感じです。

http://ookamikodomo.jp/interview/index.html

まさに細田守監督が感じた、母親のかっこいい部分を映画として表現したんですね。しかし実際に母親として大変な毎日を送っている方たちからすると、かっこいい部分ばかり切り取られているように感じてしまったのかもしれません。

花が雨ばかりかわいがっている

(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

また、「母親である花が弟の雨ばかりかわいがっている」といった意見も少なからずありました。確かに実際に、なかなか社会に馴染めない雨に対し、花は雨にばかり目を向けている様子が描かれています。

決定的なのは、クライマックスのシーン。台風で学校から帰れなくなって親の迎えを待つ雪ですが、花はやって来ません。なぜならその頃、台風にも関わらず山へと入ってしまった雨を連れ戻すため、花は山へと向かっていたからです。

「雪を放っておいて雨ばかり!」と言われてしまいそうですが、何せ雨は身一つで台風の中、山へと入っています。一方雪は放っておかれたとはいえ、学校にいることがわかっています。いくら台風でも、学校の中にいればよほどのことがない限り危険はないと判断できるでしょう。

そして何よりも目の前の雨のほうがよほど危険です。下手すると死ぬ可能性もあるでしょう。あの状況下では、花の判断は致し方ないと考えられます。

また教育評論家の中井俊已氏は、男女の兄弟による母親の愛情の偏りについて、次のように述べています。

「愛情に差があるように見えるのは、一般的に男の子の方が、手がかかるため。母親にとって、小さな息子は宇宙人のように理解しがたい存在なのです」

「男の子の特徴として、“動くのが好き”“スリルが好き”“汚いことを気にしない” “ときどきボーっとしている” “強いもの、一番が好き”“荒っぽいことが好き”“片づけたがらない”などが挙げられます。何かをしたいと思ったら、後先考えずに動き出すし、けんかをすると口よりも手がでやすいです。その点、女の子は比較的、親のいいつけはよく守るし行儀がいい。感じ方や行動も似ているので、母親が理解しやすいことも多いでしょう」

https://www.excite.co.jp/news/article/Urepia_22349/

確かに昔、クラスの男子が2階から飛び降りて骨を折ったり、走ったままガラス戸に突っ込んで大事になったりしていた記憶があります。

雨と雪の行動を見ても、雪は以前はおてんば娘でしたが、徐々に安心して見ていられる女の子に成長しています。一方、雨はなかなかクラスに馴染めず、山に向かうばかりです。花の目から見ても、雨の行動はどこか理解を超えるものがあり、夫を亡くしたこともあり、不安に感じていたのでしょう。

まとめ

映画『おおかみこどもの雨と雪』のベッドシーンが子どもに見せられない!という口コミからその理由や批判的な口コミが集まる理由を考察しました。

親子愛を描いた作品でありながら、花の母親像に対して違和感を感じた方も多くいるようです。実際、子どもがいる人といない人では大きく感想や賛否がわかれる作品です。

皆さんはこの映画を見てどう思いましたか?個人的には問題のベッドシーンも変にぼかすよりはちゃんと人が生きる上での営みとして描いてくれていたので好感をもてます。

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