カプコンの大人気ゲーム「モンスターハンター」の実写映画が「ひどい」と話題になっています。なぜ酷評されてしまったのか、モンハン2GからモンハンXXまでドハマリした私が、映画をみて感じたこととあわせて考察したいと思います。(モンハンワールドからプレイしていないですが、その理由は「人間をやめる覚悟ができていないから」ですw)
私の推しモンスターは、ティガレックスです!
実写版映画「モンスターハンター」はひどい!?酷評理由を考察
映画モンハン酷評理由1:テーマが空っぽ
1つ目の酷評理由として目立ったのは、映画のなかで描かれるテーマがなにもないという点。確かにハリウッド映画でよく描かれている「愛」「家族」「友情」など軸となるテーマがいまいち感じられなかったのは事実。
主人公のアルテミスが意味深に指輪を持って「絶対に帰る」と言っているため、おそらく彼女にも帰る理由となる家族がいると推測されます。しかし結局最後までその詳細は語られることはなく、テーマというほどではありませんでした。
またハリウッドお決まりの、「後に仲良くなる奴ら、最初めっちゃ仲悪い説(これは私が勝手に提唱している)」も描かれています。アルテミスと新世界の住人であるハンターは後に共闘していくわけですが、最初は謎に仲が悪い。けれど美味しい食べ物(チョコレート)によって和解。友情を育んでいくのですが、正直この辺もテーマと言えるほどのものではなく、ストーリー的には弱いかなと感じました。
映画モンハン酷評理由2:主人公がハンターではない
映画モンハンの酷評理由としてあげられている点が、主人公のアルテミスがハンターではないというところ。アルテミスは私たちと同じ世界に生きる、米軍の特殊部隊を率いる軍人。彼女たちチームが謎の失踪をとげたチームを探しに行くところから物語は始まります。
そこから彼女たちが、モンスターがいる「新世界」へと転生してしまい、そこでサバイバルしていくことで物語は進んでいきます。つまり映画モンハンは、異世界転生ものなんですね。
ここはおそらく、モンハンをプレイしてこなかった人たちが映画の世界に入りやすいように設定されたものだと思います。モンハンの世界って「狩るか狩られるか」という、普通とはだいぶ違った世界なので、未プレイの人たちにいきなりあの世界観を理解させるのはちょっと難しいですからね。
とはいえ、一部の熱心なファンからは「モンスターハンター」なのにハンターが主人公ではないのはおかしいと言う意見がでています。
個人的には全然気にならないですけどね。ここが許せるか許せないかで映画の賛否はかなり分かれると思います。
映画モンハン酷評理由3:そもそもモンハンが映画向きではない!?
映画モンハンの酷評理由としてもっとも大きい「テーマがない」という点と同じあげられるのが、そもそもゲームのモンハン自体が、映画向きの作品ではないというところ。それはこの映画の製作に大きな影響を与えたであろう映画「バイオハザード」シリーズと比べるとわかりやすいかもしれません。
バイオハザードはモンハンと同じカプコンによる人気ゲームシリーズであり、2002年に映画化。ヒット作となり合計6作品のシリーズとして製作されています。
ゲームのバイオハザードは一言で言えば「ゾンビもの」。主人公が猟奇殺人が起きた洋館に調査に出向き、そこで遭遇するゾンビやクリーチャーを倒しながら、事件の真実を暴き出すというもの。ゾンビを倒すというアクション要素がありながらも、事件の真相を暴くというストーリー性も大いにあるため、映画向きであると言えます。
一方ゲームのモンスターハンターは、モンスターを狩ってその素材から武器や防具を強化し、より強いモンスターを狩るというもの。まさに「狩るか狩られるか」であり、ストーリーは一応あるものの、あくまで副次的なものです。ゲームの面白さとしては、あくまで「モンスターを狩るか、あるかはモンスターに狩られるか」というアクション要素が圧倒的に強いと言えるでしょう。
そのため映画でモンハンのストーリー性を要求するのは、そもそも難しいと言えます。
実写版映画モンハンは興行で失敗している!?差別表現での中国上映中止は痛い
アメリカでは評価・興行ともに良くない
映画モンハンは、一足先に公開された海外での評価はあまり良くないです。海外での評価を見ていると、やはり「ストーリーの弱さ」を指摘する点が多いようです。
興行的にも2021年3月時点で全世界での興行収入は、3180万ドル(約35億円)と制作費の6000万ドル(約66億円)を大幅に下回る結果となっています。
日中での興行を狙うも差別表現が炎上し中国では上映中止に
日本での興行収入は公開3日間での興行収入は3億6000万円とまずまずのスタートを切っています。日本発のゲームということもあり、制作側も日本の興行収入に期待しているところはあると思います。
しかし、大きな誤算となったのは中国での上映中止問題。映画のなかでのセリフが差別表現だとして、SNSで炎上。公開翌日に上映中止となってしまう事態になってしまいました。公開初日だけで519万ドル(約5億7000万円)の興行収入を出していただけに、この上映中止はかなり痛いところです。
映画では、かなり次回作の製作を意識した作りになっていただけに、この興行収入の痛手はどうなるのか気になるところではあります。
実写版映画モンハンの個人的感想【アリ】な理由
モンスターの描かれ方は文句なし!
個人的にこの映画がよいと思えたのは、この点に尽きるかなと思います。なにせ私がモンハンを始めた理由というのがモンハンの2ndのパッケージのティガレックスに一目惚れしてしまったから!実は大学生になるまで親にゲームを禁止されており、まったくもってゲームをやったことがなかったのですが、ティガに一目惚れしたことにより、当時発売したばかりのPSPの2Gを購入。ランポスすら倒すのに一苦労しながらズブズブと沼に沈んでいった経緯があります。
そのためアクションゲームが好きというよりも「かっこいいモンスターが好き」の要素が強いため、しっかりと映画でモンスターが描かれていたのには満足でした。
とくにネルスキュラ、ディアブロス亜種やリオレウスといった大型モンスターは、「素材ほしいから狩りに行こ~」ってノリだったのに実写での強さは、見ているこちらも絶望を感じました。またレウスの弱点が「火炎ブレスを吐く直前」など、モーションで次の攻撃に備える点はゲームと同じだと感じました。友だちとモンハンやりながら「ブレスくるよ!」「尻尾ぶんぶんするよ!」とか言いながら狩ってましたからね~懐かしい。
最近のモンハンでは、より生物の生態に沿った動きが重視されており、映画でもかなり生物の生態に沿った描かれ方をしています。
監督の「モンハン愛」はマジ
映画モンハンの監督であるポール・W・S・アンダーソンは、ゲームのモンハンのファンであることを公言しています。モンハンの映画化は、11年も前から話があったんだとか。そんな監督の「モンハン愛」が感じられる様子が随所にあらわれています。
とくに後半は、こんがり肉や双剣の鬼人化、ドジっ子受付嬢(コラ!)など、モンハンでおなじみのシーンが多く描かれています。
アイルーの登場は物語にほぼ必要ないけど無理やりねじ込んだ感ありましたからね笑
こういうところが「いらない」と感じるか、「アイルー!」と感じるかで評価も分かれるかと思います。
モンハンでおなじみのキャラの再現度は高い
ミラ・ジョヴォヴィッチやトニー・ジャーといった主要キャラはもちろん、モンハンでおなじみのキャラクターたちも後半で主に登場します。団長や受付嬢は予告編でも登場していたので、予め把握していたのですが、新米ハンターや女の子のキャラ(名前何ていうんだろ)あたりの再現がかなり高くて驚きました。
映画モンハンを見た方がいい人・見ない方がいい人
映画モンハンを見たほうがいい人
- モンハンに登場するモンスターが大好きな方
- 迫力あるアクションシーンやモンスターが暴れるのが見たい方
- 頭空っぽにしたい方
モンハンに登場するモンスターがとにかく好きな方は、映画モンハンを見たほうがいいと言えるでしょう。かくいう私もYouTubeでモンスターの縄張り争いだけの映像を見るなど、「モンスターが暴れる姿が見たい」というのが強いです。
こういったストーリーよりモンスターが見たい方にはおすすめです。
映画モンハンを見ないほうがいい人
- ストーリーを重視する方
- モンハンの世界に忠実でないと納得できない方
映画モンハンは、モンスターの描かれ方はかっこいいですが、ストーリー性は弱いのでストーリーを重視する方は見ないほうがよいかと思います。またゲームへの愛が強すぎて少しでもゲームと異なると納得できないという方も見ないほうがよいかと思います。このへんは予告編を見て判断するのがよいでしょう。
まとめ:映画モンハンは頭空っぽで見たほうがいい!
映画モンハンが「ひどい」と言われている酷評理由と、個人的な感想をまとめてみました。モンハンのモンスターが見たいという方にはおすすめですが、ストーリー性を重視する方にはあまりおすすめできないと言えるでしょう。
酷評理由が多い反面、絶賛している感想も多くあります。前評判が良くなかったからこそ、期待せずに見れたという点も大きいでしょうが、ハリウッドならではの迫力ある映像とリアリティのあるモンスターの描かれ方は、文句なしだと思いました。
ストーリー面では、明らかに次回作の製作を意識した脚本になっていたため、伏線をまくだけまいて回収していないところも多く見られたため、消化不良感も否めません。また興行収入は現在のところ制作費を下回っている状態のため、次回作がどうなるかは不明です。
個人的には、大好きなティガちゃんが見たいため、次回作に期待したいところではあるのですが……。とりあえずこれから見る方には、「頭空っぽにして見て!」と伝えたいです笑
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